大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

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  変わらぬ青空のしたで・第捌拾参話

 暮れてゆく秋の夕べ。

 鈍く、重たげな朱色の陽の光が室内に射している。自邸の居間には、何の物音もしない。否、しんと静まり返ったなかに、からだが触れ合う衣擦れの音と、惟之の唇から漏れる微かな吐息が、間断なくきこえている。

 和胤に幾度となく抱かれ、あたまの先からつま先まで全てかれに知り尽くされて、逆もまた然りであったはずだった。だが、こうまで、心が震えたことがあったか。和胤の覚悟を知ったうえだからか、死をも厭わぬほど愛していると告げられたからか。

 いままでと何もかもが違う。これまでの交感など他愛のない、虚の甘さを貪りあっていたに過ぎなかった。今なら、そう断言できる。背後から抱きすくめられ、抜け出そうとしても腕の檻は堅牢で敵わない。さらに手指は頻りに惟之のからだを這いまわる。

 軍服のうえからだというのに、直に肌へ触れられるよりも、羞恥が高まる。和胤の掌や指のうごきを、布越しであるが故に強く感じ、鋭敏な触覚がより刺激されてゆく。

 おれは、こんなにも浅ましい体質だったのか、と身を捩って抵抗を試みるが、火に油を注ぐようなもので、ますます拘束はつよくなる。しかし、和胤の胸の中はあたたかく、惟之の確かな居場所はここであると教えられる。

 からだを探られるたびに、ぴくっぴくっと小刻みに反応を示して震え、そのようにして熱が蓄積した証拠に、軍袴越しにさぐられた股間が、さして煽られもせぬうちに、応える。惟之の一物ははしたなく頭を擡げて和胤の掌へ擦り寄ってゆく。

 「あぁ…」

 身に帯びているものはすべて、陸軍中将を示すものであり、それを帯びているうちは“公人”であるべきなのだ。自邸に居ても、何時如何なることがあっても、そのように振る舞うべきである。と、惟之の中だけに存在する決まりごとがある。

 いつか、和胤とふたりきりでいるとき、一度だけそれを破ったことがあった。もう二度とするまいと、自身に言い聞かせていた。それをいま、再び破ってしまった。自身の不甲斐なさを嘆き、耐えられずに漏らした吐息だが、多分に甘さを含んでいる。

 陸軍中将という堅固な殻で鎧っていても、和胤は迷わずにそこから生身の惟之を掴みとって、引きずりだした。

 以前は暴くのも躊躇い、銀釦のひとつすら外せなかったその指が、襟もとを滑って釦にかかる。ひとつ、ふたつと外して、詰襟が緩む。禁欲的に隠されていた首もとが、たちまち暴かれた。和胤は再び耳の縁へ唇を寄せて、あまく食む。そこからゆっくりとうなじまで口づけながら、片掌に包みこんだ惟之の一物をも煽りたて始める。

 「ぅ…ん…ッ」

 いつまでも若葉の息吹を感じさせる、少年のような惟之の肌の色艶は、しなやかな肉づきを備えてそこに在る。指さきで撫で、唇を寄せて、舌で味わう。それらの情欲を絡めた行為がもたらすのは快楽だけでなく、震える肌のしたで息づく惟之の根幹―魂、とでも言うのだろうか―を感じ取れる。和胤にとって至福であり、恍惚をおぼえる瞬間でもあるのだ。

 いまも、口づけつつ濡れた舌を首すじへ這わせて、和胤は欲望をかくさず示してみせた。たっぷりと淫靡な水音を響かせつつ、貪るように舐め、歯をたててやわらかく噛みつく。

 肌を這う舌のうごきは緩慢で、ぞろりとした熱い感触に舐められてゆくたびに、惟之は戦慄をおぼえた。和胤に掌握されている一物の棹が、びくり、と跳ねる。反射的に身を屈めると、胸に提げていた飾緒が外れて、金糸で編まれたそれが夕陽をはね返し、視界の隅で揺れた。身じろぐと、垂れた先端の石筆が触れあい、金属のぶつかる澄んだ音がして、それで惟之はいまにも崩されそうな自我を保った。

 「和胤…」

 「なんですか」

 からだを捻って向きあうと、和胤は思いのほか余裕をみせている。おおらかな笑顔で惟之を包みつつ、ことばを待っていた。

 「おぬしの愛ちゅうのは、ようわかった。じゃけぇ、これ以上は、この身形のままで、ことに及ぶわけにはいかんのじゃ」

 その口調は厳しくもなく、怒ってもいず、快楽に浮かされて熱っぽく息を吐いて甘くはあったが、眼に揺れる真摯な光をむけて訴えた。

 「続きをせるちゅうなら、階上へ行って、せめて、この面倒な殻を取り払ってからにしてくれ」

 「いかんですか…?」

 惟之の懇願に、目許を笑ませたまま訊き返す。答えを待たずに今度は臀へ両手を伸ばして、きゅっと掴んでやわやわと揉み始めた。

 「ぁ…あっ、いかん…ちゅうとるじゃろ…和胤!」

 既に股間を煽られて、棹を立ててしまっているところへきて、この行為は堪らない。しかも隙をみて脚をさしいれて膝を割られ、腿を股間に押し当てて揺り動かされる。

 「階上へ行く時間すら惜しいっちゃ。惟之さんのこがいな姿を見せつけられて、これ以上焦らされるのは、堪らんですのう」

 「ば、馬鹿ァ!見せちょらんわい、おぬしが止めんけぇ、いかんのじゃ…っ」

 羞ずかしさのあまり、腕にしがみつき、胸に顔を埋めて喚くと、和胤はくすくすと含み笑いを漏らしつつ、愛撫を施していた手を離した。そのまま惟之を肩に担ぐようにして、抱きかかえてしまい、小気味よく締まった惟之の臀を片手で撫でつつ、夕闇に溶け込みつつある居間を出てゆく。

 薄闇のなか、惟之の部屋で再び向かいあって立ち、唇を重ねる。身に纏った殻を、なかなか脱がせようとしない和胤を、上目で恨めしく見つめた。

 「ふたりきりでここで、おれの前だけです…、たとえ軍服を着ちょっても、おれなら触れても、こうしても構わんでしょう…?」

 ぴたりとからだをつけて、抱きとめると、惟之の耳もとへ甘い願い事を囁く。腰へ掌を這わせて、欲望を孕んだ愛撫を始め、臀を揉む手つきに遠慮がない。それがまた熱を高めさせ、惟之はついに首をたてに振った。

 めったに我が侭を言わない和胤の願いだけに、惟之も根負けした。快楽に乗じての、力押しに負けたとも言えるが、こうまでされては諾いてやるよりほかない、と甘い吐息のしたから、それだけをかろうじて告げる。

 公の場ではけしてできぬことを、せめてふたりきりの時だけはしてみたい、とずっとおもっていたと和胤は言うのだ。信条に照らせば、これは秘め事のなかでも、特に秘むべきことである。禁忌は時として背徳的な官能を生む。惟之のなかに、そんな感覚が浮きあがった。
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| 変わらぬ青空のしたで・81―90話 | 17:00 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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| | 2009/10/02 07:52 | |















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