大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

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  変わらぬ青空のしたで・第陸拾肆話

 惟之から甘えるように求めてくるなど、滅多にない。俎上の魚も同然とばかりに、和胤がこれを貪るかにみえたが、そうはしなかった。というよりも、できなかったというほうが正しい。

 寝台まで運んだはいいが、将官の軍服を暴くのは、気がひけてしまう。身に纏ったままのからだを抱きしめるにとどめ、唇を交わすにとどめ、ひとつめの釦どころか、参謀飾緒すら外そうともしないでいる。

 そのかわり、膝のうえに座らせてやさしく労わり、普段はけして見せぬ、軍務に対する弱音と本音を吐き出させていった。

 真綿でくびを締めるようである、とはこのことだろうか、と惟之はぼんやりとおもいつつ、悩ましくため息を漏らす。そうして和胤のからだに身をもたせかけながら、気怠げに肩と襟もとへ手を伸ばし、吊っている飾緒へゆびを絡めた。

 「まったくおぬしはややこしい、妙なところで真面目じゃのう」

 「そ、それは…やはりできかねますので」

 金色の参謀飾緒を外すと、和胤の掌に手渡しつつ笑みを向ける。和胤をしてまごつかせる、小悪魔のような笑みである。受け取ったそれを寝台脇の机のうえへ置くあいだに、惟之は軍服の上衣を払いすてていた。

 「いまここでおれが、こどもみとーに駄々をこねたことは、おぬしの胸にしまっておいてくれ。軍務について、泣き言をたれるなんぞ、二度とあってはならんけぇのう」

 上衣のしたに着たシャツを、肩まで脱ぎかけたところで手をとめて、含羞みながら言う。

 「おれが、誰かに言うとでも…?」

 その言葉にすこしだけむっとして、たちまち半眼になる。惟之はこの目が苦手で、目を逸らせてしまう。それというのも大抵が、ささやかでも和胤の心を傷つけたことに起因するからで。

 「いや、そげなつもりではないっちゃ。すまん、ただ…異動のときがきたら、おれは躊躇わずに判を捺すじゃろう。普段と変わらずに、ひとつの私情もなく。それでもいま言ったことは本心じゃけぇ、忘れんでくれ」

 「…そういうことでしたか。もちろんですよ」

 すこし困った顔で、黒目がちな瞳に上目をつかわれれば、和胤もようやく目許をやわらげて、惟之が無造作に払い捨てた上衣を手繰り寄せると、きれいに畳んで飾緒と一緒に小机へ置く。

 惟之は甘えかかって、和胤の胸に頬をつける。仔猫のようなしぐさであたまを擦りつけていたが、隙をみて和胤の頬を両手で包むと、唇を奪いながらからだの重みをかけていって、寝具のうえに押し倒してしまう。和胤に馬乗りになって、顔を覗きこんだ。

 「おぬしが手を出さんけぇ、こうしてもええじゃろ?」

 「たまには襲われるのも、ええとおもいますが、やっぱり惟之さんは可愛ええですのう。堪らんちゃ」

 笑いながら惟之を見上げて言うと、脱ぎかけたままのシャツへ手を伸ばして臍のあたりから掴む。軍袴から引っぱり出して捲りあげ、裾から手をつっこんで肌に触れる。

 掌で触れている胸を指さきで擽ると、惟之は俄かに身じろぐ。その動きが触れ合うからだに伝わり、愛しさが増す。ゆっくりと撫でさすると、くすぐったさに耐えかねてか、軽く身震いをする。

 「何しようる、こら、ぁ…っ」

 「あっさりと強襲成功ですのう、無防備すぎますよ。降伏せるなら手を止めても、ええですが。いかがされます、惟之さん?」

 きゅう、と指さきで捕らえた乳首を摘んで弄ぶ。緩急をつけて指のあいだでころがされ、惟之は反射的にからだを竦めるが、降伏などと言われては素直に応じる気など微塵もおきない。

 とにかく元凶である手を引き剥がそうと、シャツのうえから押さえにかかる。しかし既に時遅し、である。羞恥と悔しさで、頬が熱くなっているのは自覚している。

 「なんちゅう言い草しようる、けしからんやつじゃ」

 押さえても、亜麻の布のしたで貪欲に動き続ける、和胤の指づかいに、滴るような甘さを感じる。と、同時に仄かに残酷な気配すら感じてしまう。

 「徹底抗戦ちゅうわけですか。…降伏せんのなら、手加減なしですのう。あんまり惟之さんが可愛ええので、今日まで堪えてきたぶん、じっくり隅々まで襲わせていただくであります」

 これ見よがしに唇を舌で湿し、空腹の狼そのものの眼つきで宣言するなり、“総攻撃”に転じていく。

 「ぅ…あぁっ、こ、この、けだものがァ―」

 惟之の悩ましい悲鳴が部屋中に響きわたった。

 手加減なしだの、隅まで襲うだのというのは、誇張でもなんでもない。和胤は惟之に対する愛情に関してだけは、羞ずかしげもなく口にするし、行為にも示す。

 それにしても、今日はことのほか強い。惟之が懸念して漏らした話を、来るべき別れと確信してのことだろう。

 そんなことは惟之も同じで、今日はじぶんから主導権を握って、和胤を酔わせたかったのに、あっさり逆転されてこの有様である。悔しいにも程がある。

 “まァ、ええ。そのかわり次は覚えちょれよ―”

 と、内心で逆襲を誓ってみせる。
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| 変わらぬ青空のしたで・61―70話 | 21:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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