大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


web拍手 by FC2

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

  変わらぬ青空のしたで・第伍拾陸話

 自室で遅い昼食をとったあと、自然と昨日のことについて、会話が流れる。

 どうやら、和胤が腹を立てていたのは、自身が貶されたことよりもむしろ惟之の自殺未遂―実際はちがうのだが―のほうで、あとさきを考えずにからだを酷使して、自暴自棄になっていたあのあやうさが、再び顔を出したら今度こそ惟之が毀れかねない、と血の気がひくほど心配したらしい。

 あれは違うのだと、なんど説明しても和胤は聞く耳をもたず、確かにおもい返してみれば、そう受け取られても仕方のない行動をとっていたことも手伝って、惟之もそれ以上は強く言えなかった。

 「はい、もうこの議論は以後禁止します」

 互いに譲らぬものだから、話は平行線を辿る一方で、痺れを切らした和胤が打ち切りを宣言すれば、どこか腑に落ちない惟之は不満顔でくちをとがらせる。

 大切におもわれているのは痛いほどわかるが、自殺願望があるなどという精神的な病理を抱えている、とおもいこまれるのも困る。

 「誤解されたままちゅうのが、嫌じゃっ。おれァ、自殺なんぞしたいとおもったことはないっ。これからも断じてせん、ちゅうとるのに―」

 椅子へ鎮座したままの惟之へ詰め寄った和胤は、すこし怖い眼つきで間近に迫る。惟之はその視線を避け、ふい、とそっぽをむいて、ぶつぶつと文句とも愚痴ともつかぬことばを呟いていたが、和胤はそのあとを継がせる気はなかった。

 「お、おい…っ」

 頬に掌を添えると、無理やり顔を向かせて唇を塞ぐ。喉もとを指さきで擽りつつ、和服の襟へ触れると合わせ目に指をかける。

 「ん…んっ」

 またいいように扱われるのかと、焦りを覚えて慌てて和胤の手をとどめる。しかしまだ唇を塞がれたままで、“侵略”の阻止もままならない。

 「このまま、攻め入ってもよろしくありますか」

 「―あ…っ、よ、よろしくない…っ。離さんかァ」

 腰の痛みと苛まれたからだの気怠さから、おもうようにはゆかず、接吻から解放されても“防衛戦”は劣勢に立たされている。抱き上げられて身動きもとれないうちに、寝台へ運ばれてしまう。

 「嫌、ですか?」

 「何がじゃ、今更訊くな。そもそも、おぬしゃァ一睡もしちょらんくせに、こげなことをしようる暇があったら、休むほうが先じゃろ」

 「それなら、このまま添い寝してくださいますか」

 「ばっ、馬鹿かァ…おぬしゃこどもかっ」

 「たまには、我が侭を諾いてくれても、罰は当たらんとおもいますが」

 「―む…、しようがないのう」

 ぽふ、と胸にあたまをのせて、ついでに惟之のからだを抱きしめてしまう。力強い抱擁に長く息をついて、惟之は心底安堵をおぼえる。

 「惟之さんは、ええ匂いがしますのう。暖かな陽の匂いちゅうか…、ずっとこうしちょっても…」

 安堵しているのは和胤も同様で、甘えるように胸にあたまを擦りつける。ことばが途切れて、みれば和胤はすっかり寝入っている。遊び疲れてくたくたになったこどものような寝顔に、やれやれと首をふりつつ微笑みを向ける。

 「くそ真面目だけが、取り柄かとおもっちょったが、意外な面もあったんじゃのう」

 惟之も、和胤だけにみせている素顔があるし、この和胤のすがたを知っているのも惟之だけである。それにしても、和胤のなかでこうと信じたことや、何が何でも一度決めたらやり通す意志には、さすがの惟之でも敵わない。ことにそれが自身への想いとくれば、なおさらである。

 年下の弟のような和胤に、結局は掌握されてしまうあたり、負けず嫌いで鳴らしている惟之にとって、気に入らないものはあるが、かれのそんな強引さが実はすきだったりする。

 本人の前ではくちが裂けても言う気はない。憎まれ口を叩いて、いちいち突っかかっていっても、最後の最後には身をまかせて甘えることで、代弁しているつもりだからだ。
→【4章・1話】 →目次へ戻る 

web拍手 by FC2

| 変わらぬ青空のしたで・51―60話 | 22:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://landofrisingsun.blog66.fc2.com/tb.php/61-93084644

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。