大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

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  変わらぬ青空のしたで・第伍拾伍話

 部屋へ戻るなり、寝台のうえで組み敷かれたあと。惟之の身に訪れたのは、和胤からの拷問であった。

 もう、そうとしか言いようがない。そもそも痛みを与えることだけを、拷問というのは大いに語弊がある。と、心の声を大にして言いたい。

 着ていた襦袢を剥かれて、肌身をいいように弄りまわされるあいだ、甘い痺れに撃たれるたびに、悩ましく息をついて喘ぎ、声をあげて鳴く始末であった。和胤の愛撫が執拗かつ丁寧であるからして、間断なく快感を与えられ続けて、もはや羞じも何もあったものではない。

 和胤は心底怒っていたが、かといって惟之のからだを痛めつけるまねはしなかった。ただそのかわりに、一生消えないのではないかというほど、肌のやわらかな、特に、惟之が敏感に反応を示す場所へ、噛みつくようにして鬱血した痕をきつく刻みつけていった。

 その痕の数は、数えるのも面倒なほどにのぼり、所謂、前戯を終えるころには、元来精力旺盛な惟之をして、青息吐息という有様にまでなった。

 しかもぐったりして、半ば恍惚となっている惟之を、和胤はことの終わりまで解放しなかった。それから後のことは顔から火が出るどころか、脳が溶けそうになるほどで、思い出すだに、羞ずかしくて堪らない。

 与えられた痛みと言うには違うが、あとで訪れたそれは、すこしからだをひねるだけで腰にはしる痛みと、臀の疼くような鈍い痛みである。

 いま、惟之は寝台のなかでひとり、毛布にくるまって芋虫のように転がっている。起きあがることも叶わぬし、当然和服を着ることなど不可能である。しようがないので素裸のまま、うつ伏したかっこうで芋虫になっているのだ。

 和胤は、明け方まで惟之を―文字通り―貪ったあと、一睡もせぬまま参謀本部へ出勤している。目が覚めて気づいたが、からだはきれいに拭われているし、毛布とふとんでつつんで寝かしつけさえしてくれている。

 和胤が帰ってきて、まだこのかっこうでいるのをみたら、どうおもうだろう。この際何でもいいから、せめて浴衣くらい羽織っておくべきだな、とおそるおそるからだを起こしかけて―

 「う…。い、いけん…これはどうにもならんちゃー」

 いくらも動かぬうちから腰に痛みが走り、妙な呻き声をあげて再び寝台へ身を横たえる羽目になった。ただ、寝返りだけはうてるのに気づいて、ごろごろと行ったり来たりしつつ、気怠さを隠さずにいる。

 仰向けになって、くびを傾けて時計を見あげれば、昼をとっくにまわっていた。午後をまわるなり、階下で物音がして、慌しく階段をあがってくる足音がする。

 「ただいま戻りました、惟之さん」

 軽く叩く音とともに扉がひらいて、軍服すがたの和胤がひょいと顔をのぞかせた。その途端、惟之はくびを引っ込めた亀のようにふとんへ隠れてしまう。

 「まったく、もう…」

 躊躇いもせずに和胤は寝台へ近づき、ふとんを剥いで毛布をつまむとすこし捲りあげた。そこに居る惟之は半ば顔を枕に埋めつつ、しがみつくようなかっこうでいる。うなじや肩先は赤い痕だらけで、それが否応なしに昨晩をおもいかえさせる。ごくり、と喉を鳴らすも、触れた肩が小刻みに震えているのを感じて、眉を顰めた。

 ―やはり、幾らなんでもやりすぎだったか。

 いちど仰向かせて、からだのしたに腕を突っ込むと横抱きではなく、つりあげるように抱きかかえた。腰に負担がかからぬよう、臀を腕で支えながらからだを起こす。

 「おい、おれァ立てんぞ」

 「知っちょります」

 「な、何で知っちょるんじゃ」

 「何でと言われましても…、おれが立てなくしたんですけぇのう。何しろ、あたまに血がのぼって、手加減せんかったので…痛みますか?」

 「ふん、当たり前じゃろ。でなけりゃァ、こがいなとこへ着替えもせんで寝ちょらんわい」

 憎まれ口のひとつでも叩かねば、この場を過ごせない。ことの終わりまでの記憶は定かでないが、そんなものは容易に想像できる。毛布にくるまれたまま、安楽椅子へ移され、甲斐甲斐しく着替えを揃えてゆく和胤のすがたを、目で追う。変わらずいつものようにからだを気遣って、世話を焼いてくれる。

 昨晩、東屋で酷いことを言ったのに、和胤はすこしも乱暴をせずに惟之を抱いた。丁寧で、濃厚極まりない愛撫をうけて、惟之がようやく“陥落”して、ことの終わりまで好きなだけ弄りまわしたからといって、それで和胤の傷ついた心が癒えたとはおもえない。

 そもそも、元の問題からして、解決されてもいない。肌をかさねて互いに心が通ったのかと問われたら、否であろう。昨晩の行為は、確かに甘さだけがあった。和胤がそう意図したものでなくとも、その甘さには目に見えぬ棘があり、蔦のようにからだを這いあがって、惟之の身に喰いついたまま今も離れていない。

 後悔や後ろめたさ、罪悪感といったものが棘の正体で、刺さった傷口からも、それらは滲み出ている。行為から生ずる甘さはすこしも心に沁みず、却って裂かれるような痛みと苦みだけを残した。

 「…のう、和胤。一度言ってしもうたものは、取り消せんが、昨晩のことはおれが悪かった。たとえ百歩ゆずって赦せたとしても、忘れることはでけんじゃろ。…じゃけぇ、これからもおれをいいように扱って構わん。苦しめて、痛めつけても構わん…。なぜ昨晩そうせんかったのか、ふしぎなくらいじゃ」

 「惟之さんを苦しめて…痛めつけて、それでおれの気が晴れるか、喜ぶかするとおもうちょるんですか。昨日も言うたでしょう、あなたが素直じゃーないことくらいわかっちょると。…そりゃァ、あのときは確かに傷つけられたちゅうおもいで、おれも腹を立てましたが、そげなことはもうええんです。何ともおもっちょりません」

 惟之のことばに驚いて振り向くと、しょんぼりとちいさくなって、椅子のうえで丸くなっているすがたが目にはいる。伏せた目は虚ろで暗い。そのうえまだ、からだが震えている。

 「…そうは言うが、おれは―」

 「あァ、もう!このことは二度言っちょります。もし三度目を言わせたら、本当に怒りますよ!意地っ張りで、素直じゃーない。それでいて根が繊細なんじゃけぇ、本当に面倒なおひとじゃのう。おれにだけは、いくらでも甘えてええんです」

 「和胤…」

 そのことばに、惟之は絡まっていた糸が解かれたようで、じわ、と両目に涙をうかべ、両腕をさしのべて抱きついてくる。くるまっていた毛布が腰まで落ちて、目のやり場に困った。それでも、しっかりと華奢なからだを受け止めて抱きしめる。

 「まだ震えちょりますのう…、昨日はおれが何をせるかと、怖かったんでしょう。…もう、そげなことは考えんでください、ね…惟之さん」

 「うん…、もう考えんよ」

 では改めて昨夜の続きを…、と本当はこのまま寝台へ運んでいって、惟之を隅々まで食べてしまいたかったが、和胤は勤務から戻ったかっこうのままでいるし、惟之は朝から食事も摂っていない。

 しかもいまは昨晩とちがい、心置きなく抱きあえているわけだから、残りは夜まで我慢しろ、と和胤はのぼせかけた心を宥めるのに、何度も自身を叱りつける羽目になる。

 いままで生きてきたなかで、自己抑制がこれほどつらいとおもったことはなかった。
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