大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

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  変わらぬ青空のしたで・第壱話

 市ヶ谷の自宅から、参謀本部までそれほど遠くはない。

 惟之は自宅を出て、今日は散歩にでもゆくかのように、ブラブラと歩いてゆく。軍刀を携え、濃紺の軍服に金色の参謀飾緒をつけた姿である。将官が、通勤に馬車も車も使わずに歩いている様は、あまり見られない。しかし本人は好きでそうしていて、あたりの風景を眺めながら、春先の晴れた朝の、この時間を楽しんでいる。

 道すがら、頭の中で今日の予定があれこれと浮かぶ。浮かぶそばから寄木細工のようにそれらが組みあがっていく。

 ―今日は新しい副官がやってくるそうだが、今度はどんな奴が来るのやら。

 内心でおもうなり、苦笑いをした。

 今までの人物は未来の将官たるべき佐官だけあって、みな優秀だった。が、みな一年も経たずに惟之の机上へ転属願を出している。

 ―おれはそう、無理は言っちょらんというに。若い者は辛抱が足りなくて困るな。

 参謀本部の門前にさしかかると、当直の兵卒が直立不動の挙手の礼をよこしてくる。それに答礼もせず、軽く頷き返すだけで通り過ぎる。惟之が軍の容儀や礼儀をまともに行わないのはいつものことで、また杉閣下はあんな風で…、と部下からは半ば容認の傾向があり、惟之より上の重鎮たちからも、あの杉ならば仕方あるまい、と諦め半分に見られている。

 身軽に階段をひょいひょいと上がって、三階の執務室に入る。部屋には誰も居ない。なにせ始業の一時間前だけあってこの部屋はおろか、参謀本部にさえ人は疎らである。樫で丁寧に拵えた執務机の上は、整然としている。その上に黒い板紙で挟んで綴じた書類が載っていた。開くと表書きには、

 「参謀本部第一局長・杉惟之少将宛。副官ノ異動。山口和胤少佐着任ニ付キ詳細附セリ」

 とある。どのような人物か、彼の上官が経歴など今までの任官の経緯を書いてよこしたものだ。それを、さほど身を入れて読むといった風でもなく、ざっと目を通すと無造作に抽斗の中へ入れた。

 ―川上さんには悪いが、おれァこんなもんは、まず当てにせんのじゃ。

 机と揃いの、それなりに威厳のある樫の椅子へ腰をおろすと、鼻先で小唄を唸りはじめた。新たな副官を迎える朝だというのに、全く威厳の欠片もない。そうしているうちに、足音や人の話す声が聞こえ、この建物にもぼつぼつと、人の気配が増えてくるのがわかった。

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