大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

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千尋に届く波の音・第弐拾話

 初めて男を受け入れた暢生の体を労わりながらも、あのとき抱いた色欲は、那智への配慮と猶予とを思って我慢していた分、濃さを増してい、ともすれば理性を喰い破って、暢生を蹂躙してしまいそうであった。

 海へ出ているときは陽にやけた琥珀色をしていた肌も、病を得たことがあったせいか、どこか仄白くある。そこに、浮かされた熱が肌を火照らせ、艶めかしい血色を発している。

 「震えているね…、怖いかい…?」

 「は…はい…」

 「ぼくの悪い癖だ、もっと声が聴きたい―」

 柔い寝具に、しなやかな肢体を埋めさせておくのが勿体ない、と城内は時折きつく暢生を抱きすくめた。その薄い唇から、か細く、嬌声とも取れぬような声が漏れると、じりじりと炙られるような情欲に衝き動かされ、城内は滾らせた腰を振りたてた。

 「―こうして…きみを鳴かせて、その切ない表情をずっと見ていたい、と」

 「ぁ―!」

 臀の奥へと沈みこむそれがおよそ、己の股間で屹立しているのと同じ、雄のもちものであるということが、暢生には信じられないでいる。体内を掻きまわすような感触を覚える度に、強く引きずり込まれるような疼きと、痺れが走る。

 充分に拓いた体に痛みはなくとも、城内の獰猛な欲望を受け止めて、この身が引き裂かれるのではないかという怖さが、肌を粟立たせる。それを察知して、城内は濃やかな愛撫を忘れず、恐怖を取り払う言葉を、暢生の耳にやさしく囁くことも忘れなかった。


 ―想いを遂げて、深い情の篭った行為であった、と城内はふしぎな充実感と共に、しみじみおもった。

 今日に至るまで幾人も交際を持ったが、城内に対して媚びも諂いもみせずに付き合いを続けた男も、このようして抱かれることを承知した男も、暢生が初めてであった。

 これまでとは、比べものにならぬ程の安らぎを感じていた。腕の中で身じろぐ暢生を抱き直し、独り寝が出来ぬ子をあやすかのような仕草でかれの髪を撫で続けた。

 横臥して添い寝しつつ、からだを抱き寄せれば、互いの温もりが伝わってくる。

 「何度も同じことを言うけれど、本当に、きみを弄ぶつもりはない。きっと大事にする、そう誓ってもいい」
  
 「城内…大尉」

 「でないと、ぼくは…那智くんに顔向けできないからね…」

 城内が囁いたその名をきいて、びくん、と暢生は体を震わせた。

 「どう…して…?」

 「透き通ったきみの心が、ぼくを澱みから押し出してくれる筈だと、どこまでも穏やかなまま一緒に流れていってくれると、望みを掛けたからだよ。そうなりたいと思ったから、ぼくはきみに手をつけた」

 「那智大尉が、ぼくを…避けていたのは…」

 何故―、何故、とそればかりが暢生の思考を埋め尽くしてゆく。そして突然、我が身を裂くような衝撃が訪れたことに、暢生は愕然とした。

 付き合うことを拒絶されて以来、口も利いていない那智のことは、押し込めて潜めていただけで、暢生の心に鬱積していた。諦めよう、と思っていた本当の理由が、那智に対する想いであったことを、この瞬間に認めてしまったのである。

 俄かに動揺をみせた暢生の眼はかっと開かれ、潤んでいた。

 「そうだよ。那智くんは、きみを嫌って離れたわけではない。でもそれに気付いたからって、どうしようって言うんだい?きみは…、ぼくが好きだからこうして、身を許してくれたんだろう?」

 今まで勘が外れたことはない。このときばかりは外れてくれと思いながら、城内は訊いた。だが、暢生の潤んだ眼から動揺は消えず、伏せた切れ長の眸から、涙が零れ落ちるのを認めた。

 細く儚げながら、ひと筋の糸のようなものが暢生の心から伸びてゆくのが見えるようであった。その糸が己でなく、那智へ繋がるものだというのを、城内は察知した。

 「きみは、欲が無さすぎる…。想いは殺しちゃいけないものなんだよ」

 途方に暮れたような表情で、呆然としている暢生をしっかりと抱いてやる。

 「…何となく、こうなるような予感はしていた。だからきちんと、けじめをつけに行かなくちゃ」

 「そんな…、それでは、大尉はどうするお積もりですか」

 「ここからは、ぼくと那智くんの話。きみは…、きみには、本当に想っている人のもとへ行ってほしい」

 冷水に浸した晒しを絞って、暢生の火照った肌をそっと拭ってやりながら、頬へ唇を落とす。城内の声は穏やかで、やさしかった。普段と何ら変わることのない悠揚とした物腰を認めて、その心中を思い、暢生はひと筋の涙を零した。

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| 千尋に届く波の音 | 23:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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