大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

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  綿津見の波の色は・第佰肆拾陸話

「―まだ…、雨が降っているんですね」

嵩利の擦れたような囁きが耳を擽った。

火照った伴侶の裸身が、腕の中で抗うようにそろりと動く。鷲頭は片時も離すまい、とそれを許さず、覆いかぶさって抱きすくめようとする。熱に浮かされ続け、熔けてひとつのものになったかのようなふたりの体は、寝具のなかでぴたりと重なっている。

「そうだな…。ん、どうした?」

中庭の苔むした石の天水桶に、雨滴がぽたり、ぽたり、とおちてゆく音が時折きこえる。さながら、この褥のなかは炎に炙られているも同様で、嵩利は灼熱のそこにいて、無性に水の匂いのする外の様子が見たくなった。

「少し、喉が渇きました」

確かに、それは鷲頭も同様であった。脱ぎ捨てた浴衣を羽織り、嵩利を抱き起こしてやりながら着せ掛ける。ふたりで障子窓の傍へゆき、半ばそれを開けた。

外からさす雨明かりの中に浮かんだ嵩利の顔は、艶めかしい熱を帯びて朱に染まってい、うっとりと陶酔に浸っている。その唇から悩ましげな吐息が漏れるのを聞くだけで、鷲頭の背に一種の戦慄がはしる。

小机へ備えてある硝子の水差しをとって、注いだ水を半ばまで飲み、嵩利へ差し出そうとして、手をとめた。それを受けようとした嵩利の手が空を掴み、やり場のないまま鷲頭の胸を軽く撲った。

恨めしげな流し目を送りつつ、しなだれるように胸へ傾れこんできた嵩利を抱きとめ、頬を撫でながら顔を上向かせて、鷲頭は自身の唇へ残った水を傾けた。

「…ん…っ」

すかさず塞がれる唇。差し入れられた舌をつたって口腔へ流れ込む水を、嵩利はゆっくりと飲み干してゆく。冷たい水が流れこんだあとも、鷲頭は唇を離さなかった。飽くなき欲を匂わせたくちづけを、息も継がせぬほど続けてゆく。

「ぁ、だめ…です…、いや…ァ」

抱きすくめられながら、引きずられるようにして褥へ連れ戻され、組み敷かれる。外気に触れた肌は幾分、熱が引いたかに思えていたが、ぴたりと重なった瞬間に、再び燃えるような熱さを感じた。

「春美さ…ん、あ、ぁ、待っ、て…」

快楽を味わい足りぬと、そこが如実に語っている。互いの猛った雄が触れるなり、鷲頭はふたつを掌中に握りこんで絡み合わせた。妖しい芳香の漂う香油をそこへ滴らせて、潤滑油の役目をさせる。ぬるりとした感触に包まれて扱かれてゆく雄は、たちまち肉欲を生み、理性を崩す衝動をもって意思を煽る。

「待っていいとはとても思えんがな。まだまだ、味わい足りないだろう」

鷲頭を受け入れ続けた後孔は、指の腹で撫でられただけでひく、と震えた。その言葉は挑発でも何でもない。嵩利のからだは鷲頭に劣らず餓えている。からだの奥深くまで、かれのものに貫かれて蕩かされたい、と訴えている。指さきをわずかに沈められただけで、腰が疼くのを認めた。

「もう、夜が明けてしまいます…。今日は大事な軍務が…」

「それだけ旺盛な精力があれば、一晩寝ずに出仕しても差し支えなかろう。私も、このまま心ゆくまできみを味わいたい。その方が却って公務に張合いが出るというものだ」

「また、そんな…こと…っ、ぁ、う、ああ…!」

充分に慣らされて拡がった後孔は、鷲頭の雄を受け入れる。雁首が触れるなり、ゆっくりと体内へ侵入してくる。ずくずくと肉壁を掻き分けて、貫いてゆくものの感触に、嵩利は耐え切れずに嬌声をあげてしまう。

「低俗な忌まわしい罵声と無駄な議論を聞かされ続け、毒された私の耳を癒すのは、きみのその甘く囀る声だけだ…」

議事堂での会議の数々が脳裏に浮かび、鷲頭は忌々しげに吐き捨てた。苛立ちと苦悩の滲む声だが、嵩利を荒く扱うことはしない。ぴたりと添わせたからだはしなやかに動いて、嵩利の体内をやわらかく熔かし尽くしてゆく。

「ぼくも…、ずっとこうして…いたい。春美さんを、あなたを感じて…いたいです」

あるかなきかの雨音をたてて、しとしとと降り続ける雨。鷲頭邸はその、うっすらとした幕に包まれていた。ある種の憂鬱を含んで、重さの漂う空気を生んでい、ふたりのうえにも等しくおりている。

その重さというのは、雨模様がもたらす物憂げな重さだけではない。

ふたりは全て予感していた。今日、会議で取り決めされることの内容。当然それに続くのは青島、黄海での戦闘であること。それらを全て予感していた。しかし既に決意したように、抗えぬ流れであることから、眼をそむける積もりは微塵もない。

今はただ、こうして互いを感じていたかった。何も考えずに全ての事柄から解き放たれて、今だけは―。
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| 綿津見の波の色は・141―150話 | 01:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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