大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

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  綿津見の波の色は・第佰参拾伍話

軍務局長のときとひとつだけ違うのは、副官の部屋と扉で仕切られていることくらいで、嵩利はその、次官室の隣で机に向かっていた。

始業からずっと、もう昼近いというのに一度も顔をあげていない。大臣から依頼された書類をせっせと拵えているのだろう。扉は開け放してあるが、それは鷲頭がそうしてくれと言ったからで、何も不行儀なわけではない。

次官の椅子に鎮座して、鷲頭は何時にも増して嶮しい表情をしているが、これは軍務に於いて深刻な事態が起きたからとか、そういった理由ではない。

「次官、これで宜しいでしょうか」

明瞭で涼やかな声に続いて、隣室から嵩利が姿をみせる。ほんの僅かに背筋が痒くなって、鷲頭は内心で自身を叱咤しつつも、じろり、と伴侶である副官を睨みつけるようにして見返す。

「幾つか、案件を纏めてみたのですが…」

机の前で暫し逡巡したのち、おずおずと声を掛けてくる嵩利の表情に、昨日の面影は何処にも見当たらない。

―まったく。あれだけのことをしておきながら、今更羞じ入るとはどういうことだ―

八年目にして、初めて及んだ行為なのだから無理もない。と分かっていながら、内心で悪態をつかずにいられない。男らしさを具えた嵩利の変化は喜ばしいが、まだ同居している初心さが疎くもあり、愛しくもあるから非常に困っている。

―私も今回ばかりは、嵩利を責められぬ立場だがな―

と、そこまで独白したところで、再び嵩利の声が届く。

「…あの…」

「書き上げたのなら、置いていきなさい。まだせねばならぬことがあるだろう」

「は、はい」

「昼食の手配は、してくれているのだろうな?」

「それは、朝に済ませてあります」

「ならば宜しい」

行ってよい、と身振りで示すと、嵩利はしおらしく副官の執務室へさがってゆく。


―結局。昨日は昼過ぎから東屋で行為に及んだのち、夕刻にいちど風呂へ入ったほかは、夕食もそこそこに、お互いに昂ぶり、溶け合った心身を離すまい、と鷲頭の寝床へ傾れこんだのである。

深更を過ぎるころまで、嵩利にたっぷりと愛された身を、こうして海軍省へ引きずるようにして持って来ている。それで今、鷲頭は立ち上がっても、ゆっくりと歩むのが関の山という有様なのである。

正確に言えば、端正な姿勢を崩さずにからだを動かせる速さが、その程度なのだ。

空気をも切るような普段の精彩を欠いているが、周囲には泰然と構えて、絶えず眼を光らせているように映るらしい。そんな鷲頭をますます、怖いものでも見るような目でみている。

次官にまでなって、優秀な副官もいるのだから、椅子に鎮座して動かないというのは、ある意味ではおかしい話ではない。しかし、鷲頭はおとなしく椅子に座っていられるような性格ではないし、大臣の成瀬はさっそく海軍内の構造改革に手をつけたがっている。

その支えとならねばならぬ身で、じいっとここへ座らざるを得ない状況をつくりだしてしまったわけで、軍務に厳粛である鷲頭からしてみれば、こうした状態でさえ、”私事”で疎かにした、という認識が生まれてくる。

その認識に反して、実際は軍務には何の滞りもない。成瀬海相から何かせっつかれているわけでもない。

―これは、また、私の要らぬ矜持というやつだな―

これまで何度、嵩利絡みでその信を枉げたか知れないのだ。今日くらいは、このようにして過ごすのも良かろう、と鷲頭は漸く眉間をやわらげた。
→【6話】 →目次へ戻る

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| 綿津見の波の色は・131―140話 | 21:23 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

お邪魔しております

こんにちわ。ご訪問有難うございました。
次官閣下、おつとめお疲れ様でございました…
文章と鷲頭さんの表情の硬さと、内容のギャップに笑いがとまりませんwwwwwwwwww

| misia2009 | 2010/11/13 14:03 | URL |

コメント返信です

これで鷲頭は、嵩利に無駄な意地を張れなくなりました。

その代わり、甘えまくり我儘言いまくりです。

軍務に対する姿勢は相変わらず厳しいですが、私的にストイックさと強気な態度がなくなった鷲頭って、どうなんだろうと、カミングアウトさせてみてから不安になったりしています(爆

でも、嵩利に何回抱かれようとも、あの頑固おやじがしおらしくなりゃしませんがネ!
あくまで強気で(最初だけで崩されますが)男らしさの抜けない受身です。そのほうが萌えるから(ぉ

| 緒方 順 | 2010/11/14 17:36 | URL |















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