大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

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  綿津見の波の色は・第佰玖話

山科と別れ、庭にひとり残った嵩利は、設えられた縁台へ腰をおろして、火照った頬を寒風で冷やしながらため息を吐いた。このような嫉妬を抱く浅ましい自身の心に我ながら呆れていた。自他共にみとめる、鷲頭春美の伴侶であるというのに、である。

「まだここに居たのか」

声と共にふわりと首のまわりに温かなものが触れる。山科と対峙した際、変な汗をかいて外していた襟巻きを、無造作に縁台のふちへ放っておいたのだが、鷲頭はそれとは知らず取り上げて掛けてやりながら、隣へ腰をおろして嵩利の顔を覗きこむ。

「どうした、随分と顔が赤いな」

「いえ、これは…何でもないンです」

「ほう、何でもない割には随分な狼狽ぶりだな」

こういうとき、取り繕うということが未だにできない嵩利であるから、容易に見抜かれる。意地悪く耳に囁いてくるのを聞き、身を竦めつつ、隣へ座す鷲頭へ甘えるように体を寄せた。

「大方、要らぬ嫉妬をして山科くんに呆れられたのだろう」

ずばりと言い当てられ、せっかく引きかけた熱が上る。観念して俯いたまま、おそるおそる、こくりと頷くと、鷲頭がさも呆れたといった風にため息を吐くのがわかった。顎のしたへ手を伸ばし、指で擽ってくる。顔をあげろと催促しているのだ。

「春美さ―」

鷲頭を見上げて、叱られるのを予期しているような表情をみせる嵩利の唇を、躊躇いもなく奪う。自邸に居るわけでもないのに、遠慮なしに息もつかせぬ熱い口づけを与えられ、嵩利は抵抗する間もなく瞬時に熔かされ、腕にぐったりと身を預けたまま、その行為に酔わされた。

「続きは帰ってからだ。馬鹿者には、これではまだ仕置きが足りぬ」

「ぅ…」

両の頬を掌でぴたりと軽く打ってから包み、じろりと怖い眼つきで嵩利の顔を覗きこみながら宣言すると、さっと縁台から立ち上がって回廊へあがり、その先の部屋へ姿を消してしまう。

一度も振り返らぬその背が見えなくなるまで、嵩利は耳まで襟巻に埋めながら、恨めしげな視線を向けるしかなかった。

熱い口づけに酔わされてふらつく体を、縁台に片腕をついて支えながら、冷え切った風に暫し晒す。からだと思考から熱が引いて平常心が戻ってくるまで、かなり時間を要した。

「…どうしよう…」

鷲頭の先刻とった行為は、嫉妬を窘めるのみに非ず。

このところ頓に生き生きと充実しているのは、何も海軍の先端を行く知識を得る為だけに発揮されている訳ではない。心身ともにすっかり若返った気持ちでいるが、それが気持ちだけに留まっていないのは、嵩利が一番よくわかっている。

自邸に帰って夜ともなると、それは顕著にあらわれる。海軍大学校での指導や、受ける講義に熱意を傾けることが大事だから、甘い時間は棚上げになっているのが、今の鷲頭家の現状である。

それが徐々に積もり積もってきてはいたが、軍務の大事という認識が歯止めを掛け続けていた。そういう状況であるから、獰猛な欲望を抑え込んでいるような鷲頭の気配をひしひしと感じたのは、一度や二度ではない。

何処で鷲頭の”導火線”に火がつくか、嵩利は正直に言えば待ち遠しさ半分、怖さ半分、であった。何しろあの鷲頭である。溜まりに溜まったものが怒涛のように押し寄せてくるのは目に見えている。

今回はふたりの間で何かがこじれて、このような状況に陥っているわけではないから、始末におえない。回避は不可能である。山科に対する嫉妬など、今のふたりにとっては微笑んで済ませられる程度の可愛いらしいものなのだが、鷲頭からみれば、ことを始めるきっかけにするには充分だった。

「もう…春美さんの、馬鹿…」

問題は自邸へ帰って、夜の間に鷲頭の”仕置き”を受けてこの身がもつかどうか、である。
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| 綿津見の波の色は・101―110話 | 20:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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