大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

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  綿津見の波の色は・第佰伍話

海軍きっての英国通として知られることとなった橘田大佐だが、軍令部と海軍省のあいだで橘田大佐の配属について、是非欲しい、と小競り合いになったのだが、本人は郷里である伊予松山へ引っこんでいて、毎日毎日、のどかに道後温泉へ通いながら、療養にいそしんでいる。

青山の鷲頭邸には、橘田からの私信が頻繁にとどいて、鷲頭と嵩利と、橘田の親交はここにきて益々深くなっていった。

一方、鷲頭の盟友たちは、今はもう”戦時態勢”をとる必要もなく、皆それぞれの作業地や勤務地で軍務についており、中々会えぬ状況になっていた。

事あるごとに頭をつきあわせていたころを思い出すと、幾分寂しい気もしてくる。その分、文の遣り取りだけは欠かさずにいて、鷲頭家には毎日のように誰かからの書簡や葉書がとどく。

そうして、長過ぎる冬に感じた不穏な気配などすっかり忘れて、碧滴る五月にもなると、嵩利は二足の草鞋を軽く履きこなせるまでになっていた。

海軍大学校へ講義をしにゆく日などは、鷲頭はなるだけ嵩利よりも早く帰宅するようにしてい、玄関か庭先でかれを出迎えるのが常であった。

もうそれをふた月続けているが、嵩利は自宅の門扉をくぐるのにも未だに気羞ずかしくて、僅かに頬を赤らめながら”ただいま帰りました”と、鷲頭の顔を俯きがちに上目で見つめる、といった具合である。

ひとたび自宅の門をくぐってしまえば、そこはもう二人だけの居場所であり、振る舞いも、態度も、何ひとつ憚る必要はない。この環境に対してまだ羞じらいをみせる嵩利を、鷲頭は恰好の獲物とばかりに浚う。

大抵、庭先の風薫る樹のしたで腰の砕けるような抱擁と接吻に見舞われ、玄関や縁側の沓脱ぎ石のところで、嵩利がまともにじぶんで黒短靴を脱いだのは、数えるほどしかない。


陸軍でも海軍でも、軍拡だ軍縮だという意見のぶつかり合いは続いている。

何か風向きが変わるような気配があれば、また嵐が巻き起こりそうな危険を孕んでいたが、今のところは均衡を保っている。

そんな危うさの中で、この青山の静穏な自邸でふたりで一緒に過す時間というのは、言ってみれば非常に貴重であり、一秒とて無駄にしたくないという心情が働くのである。

宵も訪れぬうちから目も当てられぬような甘い時間に耽るが、ふたりとも一歩おもてへ出れば、名実ともにある優れた海軍士官として、周囲から一目も二目も置かれているというのも、全てはこういった想いから来ている。

あとひとつ、ふたりの間に変化が訪れたとすれば、鷲頭が嵩利へ甘えるようになってきたことである。以前、男の性を剥きだしにした嵩利に酔わされ、完膚なきまでに熔かされた心は、そののちは頑なに保っていた強がりで鎧うのをやめ、それでもやや羞じらいの残る態度ながら、嵩利へ身も心も預けることを十日に一度くらいはしている。

その性格上、もともと嵩利は鷲頭のように燃えるが如き積極的な性欲というものを持ち合わせていない。鷲頭に幾ら教育されても、陶酔の日々に浸っても、その傾向は変わらなかった。

だから大抵は慈母のようにやさしく鷲頭を包んで慰撫するに留まっている。結局あの挙動は”興廃を賭した一戦に挑む”ようなもので、如何にふたりきりの邸といっても、この屋根のしたで嵩利があのような振舞いをすることはなかった。

それでも慈母がことによると小悪魔にとって代わることもあったから、鷲頭はそういうとき、嵩利の艶めいた誘惑に乗り、存分に酔いしれることを躊躇わなかった。
→【17話】 →目次へ戻る


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| 綿津見の波の色は・101―110話 | 18:13 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

鷲頭家の興廃、かの一戦にありけるぞやwww

十日に一度は小悪魔で、残りの九日は慈母で、って結局ず~っと誘い責めに甘んじてるんですね、羞じらいながら。
一篇を拝読中とおして微笑い悶えさせて頂きましたwww

| misia2009 | 2010/10/09 19:42 | URL |

コメント返信です

嵩利も計算してわざとそうしているわけではないので、鷲頭はまさに生殺し状態ですねえ。

たまには、あんな風にまた酔ってみたい、と心中で心底残念な嘆きを漏らしてますので(笑

| 緒方 順 | 2010/10/09 20:05 | URL |















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