大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

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  綿津見の波の色は・第佰話

小峰海相に招かれている、ということを忘れていたわけではなかったが、行為に浸りきって刻を忘れかけていたことは、さすがに認めねばならなかった。

料亭へ行く時刻のぎりぎりまで、自宅で慌しく支度をしたあと、迎えの車に乗り込んだが、どうにもしっぽりとした雰囲気は拭いきれていない。海軍士官の身形でいるというのに、鷲頭も嵩利も、まだ熱の冷めやらぬ証拠に、頬は微かに朱を刷いたように火照り、艶の名残がありありと浮かんでいる。

料亭へ着くまで、ぴったりと並んで座ったふたりは、何か会話を交わすということはなく、膝のうえで確りと指を絡ませて握り、こつん、と互いにこめかみあたりをくっつけて、じっと瞼を閉じていた。

車から降りると、玉砂利と敷石で整えられた料亭の、そこはかとなく寂のきいた庭を横切りながら、ひとりの海軍士官がこちらへ歩いてくる。それを認め、ふたりは歩を止めた。

「鷲頭くん、遅かったですね」

さくさくと玉砂利を踏みしめてやってきたのは、新見だった。ふたりを見つめた後、ふと訝しげに眉を顰める。湯の香と、ことの名残を惜し気もなく漂わせているのを、すぐに嗅ぎ取っていた。

「まったく、あなたたちは…」

呆れているのを表情、声音ともに隠さずにして新見は腕を組むと、鷲頭を厳しい眼つきで見据えた。嵩利は夕闇のなか、さっと俯いたが、耳まで熱くなっているのは隠せなかった。鷲頭とて今日の集いが、只の宴席ではないのは重々承知している。が、そのことについてくどくどと叱言を呈するかと思いきや、新見はもと来た道ではなく、正反対の方向へ鷲頭と嵩利を導いた。

「何処へ行くんだ」

「今日の集いは、きな臭い。こんな筈ではなかったのですが…」

「小峰海相は、来ておられないのか」

「ええ、いらしていません」

「罠だとでも言うのか」

「あなたを陥れたがっている者は、少なからずいますからね」

たとえ纐纈が海軍の要職から遠ざかったとは言え、かれに毒された者たちが蠢いていることについてまでは、その対策が追いついていない。油断していると、こういった事態が訪れることに、那智の盟友たちは酷く神経を尖らせている。

「…どちらにせよ、あなた方は今夜はとても宴席へ出られるような状況ではないのですから、ひとまずこちらで寛いでいて下さい」

「う、うむ…」

「あとは那智長官と城内大将に任せて、暫く部屋から出ないで居るんですよ」

通された部屋は、料亭の最も奥まった場所にあり、こぢんまりとした広さで、庭の造りを余すところなく眺められ、心落ち着くものがあった。ふたりを残し、すっと襖を閉めて、新見は足音も静かに廊下を遠ざかってゆく。

「…今夜は、この待遇に甘んじるとするか」

「ええ、そうですね…」

開き直ったのか、却ってさっぱりしたような口調で言って、障子を開け放った丸窓から庭を臨みながら、鷲頭は嵩利を振り返って手招く。座布団を並べて腰をおろし、鷲頭は憚りもなく嵩利の腰を抱き寄せる。敢えて逆らわず嵩利も気怠さを隠さず、からだをその腕にくたりと預けた。

潤んだ瞳を交わしあい、一度だけやわらかく唇を重ねたあとは、さらさらと流れる水の音を聞きながら、紅葉の色を眺めるともなく目で追った。
→【12話】 →目次へ戻る

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| 綿津見の波の色は・91―100話 | 01:04 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

幸福です。

新見さんwww

素敵なシーンをまとめて読了しました。
妖花、堪能いたしました。
局長の男を残した羞じらい、最高。

こちらのサイトに御縁を頂けた私は、幸せ者であります。

| misia2009 | 2010/10/04 14:51 | URL |

こちらこそ幸福者です。

嵩利の行動に”襲い受け”という項目が増えました。

鷲頭は…”誘い攻め”…なのかな。今回は書いていて、ちょこっとにやにやしてしまいました。

いつもコメントと拍手をありがとうございます。

月並みですが、楽しんで頂けますように精進しますので、これからもよしなにお願いします☆

| 緒方 順 | 2010/10/04 21:09 | URL |















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