大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

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  綿津見の波の色は・第陸拾肆話

 明らかにうろたえて、成す術もないといった様子で立ち尽くしている嵩利を目にし、苛立ちを押し殺すように息を吐き、鷲頭は身を翻した。あとには目もくれずに室内に引っ込んでしまう。

 嵩利はその背を目で追いつつ、今まで遣り取りをしてきた手紙の内容を思い出す。これがあの鷲頭かと目を疑うような、包み隠さぬ愛を示す言葉が詰まっていて、普段は口に出さぬだけで、その内には烈しい想いが在ることを、つくづく感じたものだった。

 そしてこのように、形振り構わぬ振る舞いや物言いを時折するのは、やはり不器用さからであるが、内に溜め込んだ想いの発露であるのはわかる。

 手紙のみならず、こうして臆面もなく真直ぐに告げられれば、正直に言って嬉しい。それなのに嵩利は未だ、それらに込められた想いを、上手く受け止めることができていない。しかも、自身の気持ちを素直にぶつけてよいのだと、わかっていても、肝心なときになるとそれができない。

 暫く、あたまの天辺から湯気を立てて、我に返る。そうして落ち着かぬまま室内へあがれば、鷲頭は敷物のうえに、怖い顔のまま腰をおろしている。

 まだ頬を染めている嵩利へ一瞥をくれ、無言のまま、ここへ来い、と膝を叩く。それに従い、かしこまって鷲頭の傍へ寄り、膝をつくと、即座に腕を掴み取られて、腿へ座らされる。支えるように背に腕をまわしかけただけで、鷲頭は嵩利へそれ以上触れようとしない。

 間近に、鷲頭の横貌がある。棘のある気配も、嶮しい眉間も、只の不機嫌や苛立ちから来ているのではない。無言の訴えが含まれている。それを溶かせるのは唯一、嵩利の言動だけだ。

 手を伸ばして、空いている右腕の袖をつまんで引く。普段ならばそれだけで効く仕草も、今日は通用しない。嵩利は、こくん、と喉を鳴らせて、羞じを飲みこみ、鷲頭の手を握ると自身の胸元まで導いて、高鳴っているそこへ押し当てた。

 「触って」

 擦れるような声で囁くと、鷲頭は置かれた場所へ掌を添える。僅かに、撫でるような手つきをするが、すぐに止む。この程度の強請りかたでは、鷲頭の機嫌は直らないらしい。

 「それだけか?」

 慌てて首を振るが、羞恥に溶けそうな思考のなかで、言葉がまとまらない。鷲頭が生み出すこの空間はどこか残酷で、それでいて限りなく甘い。その気になれば、嵩利を素直にさせるなど、造作もない。そうしないのは素直になれぬ嵩利への訓戒である。

 「釦を…外して」

 言うとおりに、上衣の釦とシャツの釦を片手で外してゆく。その器用にうごく右手の指さきを見つめながら、ひしひしと、艶めく甘い刻を予感する。陽に灼けた素肌が、はだけさせた着衣の隙間に覗いて、呼吸と共に上下している胸の隆起へ、手をとって触れさせる。

 「いつものように、指で…弄って」

 そう強請るなり、するりと掌が肌へ滑りこむ。鷲頭は嵩利の要求のままに、愛撫を施し始めた。腹から胸にかけて、程よく鍛えあがった肉体を確かめるように撫で、指の腹で乳頭を捉えて軽く押し潰したあと、抓まんでゆっくりと転がす。それが形を成し、膨らみを持つと同時に、嵩利の唇からちいさく、鳴く声が漏れる。

 「その次は…?」

 「も…ぅ、ゆるしてください…」

 「許すか許さぬかの問題ではない。今日はきみから強請らぬ限り、ことを進めはしない。そう決めた」

 脇腹へ掌を吸いつかせて、擽るようにしてなぞりつつ、囁きかける。その声音はおそろしい程やさしく、見上げてくる表情は、ふたりきりの時にだけ見せる、多分に艶の浮いたものである。羞恥だけではない、形容し難いものに襲われて、嵩利はからだを震わせた。

 ここは素直に、鷲頭へ甘えればよいだけなのだが、逐一どうして欲しいのか言えというのは、この上もなく羞かしい。これも教育だというのか、それとも気紛れの悪戯なのか。
→【15話】 →目次へ戻る

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| 綿津見の波の色は・61―70話 | 22:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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