大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


web拍手 by FC2

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

  綿津見の波の色は・第拾壱話

 菊座を解した感触から、副官が初めてであることは間違いなかったが、こうして中へ一物をおさめてみると、吸いつくように良く応えてくる。

 鷲頭と離れたくないとからだで訴えているようで、およそその官職を呼ぶにそぐわぬ甘い声で幾度も“艦長”と呟く様子がいじらしかった。

 「千早くん、私を狡いとよく言うが、きみも狡いじゃないか。これではもう一度…抱かずにはいられん」

 ことの終わりまで、たっぷり一刻はかけたか、手拭いで綺麗に後始末をしてしまうと、寝具のうえでぴくりともうごかない、副官のしどけない―としか言いようのない―姿を見つめて言った。

 「そんなこと言われても、嬉しくないですッ」

 俄かに眉を吊り上げて利かん気を見せ、憎たらしく口走る。衣桁から外した絽の裾が軽やかに翻って、鷲頭の逞しい肩を隠す前に、嵩利は手を伸ばしてそれを奪い取った。絽をからだへ巻きつけて、つま先だけが覗いている。

 「何故だ?またきみに触れたいんだ。一度きりと言ったが、いいだろう」

 からだを覆った鷲頭の単から、半ばだけ顔を覗かせる。嵩利は鷲頭を信頼しているが、どうにも不安が拭えない。

 「なんだ、そんな顔をして」

 「ぼくの…からだが良かったから…それだけじゃないですよね?」

 細い声が辛うじて聴き取れて、鷲頭は頷いた。男にからだを任せるということが、どういう意味を持つのか、初めてのことだけに、副官が不安を抱くのも無理はない。

 副官のまえに跪いて、軍務についているときと変わらぬ、怖い顔つきで間近に詰め寄る。庇うように包んでいる着物ごと、腕にそのからだを抱きとった。

 「それだけの理由ならば、もう一度などと訊かずに、今ここで有無を言わさずに押し倒しているところだ」

 「そう…ですよね」

 無造作な手つきで髪をくしゃくしゃっと撫でられ、ほっと安堵の息を吐いて上官の腕に身を預ける。申し訳なさそうに言ったあとは、眼をあげて鷲頭の顔色を窺う。厳しい顔のなかで、まなざしが僅かにやわらぐのを認めて、嵩利の胸はまた想いに焦がされ、軋んだ音をたてる。

 「艦長…好きです」

一瞬切なく眉を顰めたあと、囁くようにして上官の耳へ言葉を届ける。それだけでは足りないと、腕を伸ばして確りと抱きついた。このまま、もう一度抱いてしまいたい。鷲頭は副官の温もりを腕に包みながらそう思った。

 「私も、きみが好きだ…」

 だから―。この純粋さを大事にしたい、壊してはならない。

 と、それが心に渦巻く欲望をぐっと強く押しのけて、遮った。抱擁を解くと、かれが纏った絽の単を肩から剥がしながら、身につけていたシャツと麻の白軍服を着せかける。

 「なあ千早くん、また泊めてくれないか」

 「え…?」

 「今年は私に、釣りを教えてくれ」

 「はい!」

 今度こそ、屈託のない朝顔そっくりの笑顔を浮かべる。本当に素直で、愛らしい。鷲頭が手を出すことでこのまっすぐさを崩してしまうことだけは、避けたかった。一度きりにすべきだったと後悔せぬように、この手で守りつつ、“育てて”ゆく決心が、鷲頭のなかで形を成してゆく。
→【4話】 →目次へ戻る

web拍手 by FC2

| 綿津見の波の色は・11―20話 | 21:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://landofrisingsun.blog66.fc2.com/tb.php/123-965ab1cd

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。