大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


web拍手 by FC2

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

  綿津見の波の色は・第漆話

 副官が鷲頭に対して、どれほどのものを抱いているのか、それは測りかねた。未だ良く、この鷲頭春美という人間を解っていないうちに、想いを告げたに違いない。

 海を愛し、飄々としながらも少年の心を抱いている、そんなかれを大事にしてやりたくて、せめて佐官になるまで手許で育ててやるつもりでいた。が―

 「気骨のある男だと思って副官へ誘ったが、今となっては隠れ蓑に過ぎなかったな。やはり最初からきみに目をつけていたのだ、それを認めて白状しなくては、アンフェアだ」

 だが弄ぶ気などまったくない。否、結果的にはそうなってしまうかもしれないが、絶対にそれは避けたかった。

 「え…、艦長…?」

 「こんな狡い男だが、それでもいいのか」

 嵩利は、驚いたままの顔で鷲頭をまじまじと見つめた。ひとを弄んで捨てるような、そんな人物ではない。今もその眼には、誠意の中に不安が揺れている。狡さなど欠片も見当たらない。

 「先にケーアイしといて、今さらそんなこと言うなんて。確かにその点は狡いべ」

 と、砕けた口調で言って、またあの朝顔のような笑顔をむけてくる。どこまでも無邪気に、鷲頭を信頼しきっている。この清廉な好意を、いつまで向け続けてくれるか、試してみる気になった。

 「ほんに、きみは疑うちゅうことを知らんのう。それにな、ケーアイちゅうのは、あんなものじゃーないぞ」

 耳慣れぬ郷里ことばに、嵩利が呆けたような妙な表情でいる隙に、唇を奪い去る。長い長い、蕩かすような接吻を施して、その最中に嵩利のからだが、腕のなかで時折小刻みに震えた。これ以上のことを求めていると知ったら、かれはどうするだろう。

 「はぁ…っ」

 ひく、と喉がうごいて、愛らしい吐息が漏れる。漸く解放して唇を離すと、嵩利は鷲頭の胸へあたまを預けたまま、息を整えている。

 まことに峻厳実直な人柄だけに、鷲頭はきっとこのようなことは不器用だろうとおもっていた。が、とんでもない誤認であった。狡い、の意味はこういうことだったのか、と今さら慌てる。

 「もう一度だけ訊くが、後悔しないか?」

 慌てるには慌てたが、嫌悪感はまったくない。本音を言えばどこまで求められるか、すこし怖い気もしたが、相手は鷲頭なのだ。信じて任せて、間違いはないはずだ。

 「しません」

 「そうか」

 いきなり、あんなケーアイに踏み切ったのは、少しまずかったかもしれないな、と、副官のどこか気の抜けたようなからだを抱いて、落ち着かせるようにさすってやる。

 「私が不器用なせいだな、すまん」

 「艦長、狡い」

 男色どころか、こういったことには慣れていないのだから、手ほどきをするのなら、もうすこし穏便にしてくれなきゃ、困るべな。と、性経験の浅さを恥じらいつつ、隠さずに言う。まったく純朴な少年そのものである。

 三度のめしより釣りが好きという男だが、女を釣ることに長けていないのは、見ていればわかる。でなければ、鷲頭の食指がうごくことはない。

 「その点は、私も充分心がけるように努めよう」

 生真面目に言うその顔は、いつもの鷲頭であった。嵩利は改めて、この上官が好きになった。じぶんだけに見せてくれるもうひとつの顔でさえ、やはりどこか不器用で、温かいのだ。
→【8話】 →目次へ戻る

web拍手 by FC2

| 綿津見の波の色は・1―10話 | 09:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://landofrisingsun.blog66.fc2.com/tb.php/119-6f6314d1

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。