大日本帝國軍の愛と友情の日々

逓信省の検閲済でありますが、男色趣味満載ですので、苦手な方は華麗なターンでご退却下さい!所謂BL小説サイトです。右側に注意書きがございます。必ずご一読ください

| PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


web拍手 by FC2

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

  変わらぬ青空のしたで・第参拾壱話

 ついでながら、和胤は恩田に愚痴を零した。他でもない上官のことだ。

 かれの、相も変わらぬ自身への無頓着さについてである。療養の身であるのに、一向に改まらない。他愛もない我が侭を言っているだけなら、こちらも多少はふざけて返せるのだが、笑って済ませられる問題ではない。例えば、すこし具合がよくなると薬を飲まないで、三日も知らん顔をしているといった具合なのだ。

 「うーむ、おれならふん掴まえて、前みとーに百叩きはかたいところじゃがのう。さすがにおぬしは惟之を百叩きにするちゅうわけにもいかんか。そんなら―」

 そうしてこっそりと、惟之の弱みを和胤へ告げる。

 そのようなやりとりをして、恩田が杉邸を辞していったあと。暫くして階上から、惟之が水差しをもっておりてきた。居間にいた和胤はその足音に気づき、廊下に顔を出すと、おう、帰って来たんか。と惟之は少しばかり窶れたような笑みを向けつつ、手にしている水差しを掲げて振ってみせる。

 熱のせいでからだが火照っているらしく、この寒い日に綿入りの羽織も着ないでいる。和胤は慌てて上衣を脱いで着せ掛ける。

 「閣下。…今日は寒いですけぇ、水はいけません。小火鉢に炭を熾して、湯を沸かしましょう。からだを拭いて、それと着替えも…」

 「うん、すまんが頼む。おぬしが帰って来ておってよかったわい。階下におりただけでふらふらしようる」

 慣れたもので、これでもう何度目になるかわからないが、和胤はそっと惟之を抱きあげて、階段をのぼった。惟之も惟之で、肩にあずけるあたまをおさまりのいい場所にのせると、それきり動かない。

 「夕方に新垣軍医長が診察に来られますが、こがいに熱があっては、時間まで待っちょられません。いますぐ、参謀本部へ連絡して、おれが迎えに行ってきます」

 うんうん、と肩にのったあたまが頷いた。

 寝室にもどって火鉢にすぐに炭をくべ直し、火を熾す。そのそばに据えた椅子へ座らせ、寝間着の浴衣を脱がせると、寝汗をかいたからだを、湯にひたして絞ったさらしで丁寧に拭いていく。惟之ははじめ、浴衣を脱がせようとした和胤の手を拒んだが、背に腹は代えられないと諦め、それをゆるした。

 帯を解いて、浴衣を襟の後ろからつまんでひきおろすと、肩と背の半ばまで露わになる。

 ひと目で華奢な骨組みなのがわかった。しかし均整はとれていて、しなやかな筋肉のついたからだは脆弱さのかけらもない。しかも惟之は四十を越しているというのに、血色のいい肌理のこまかな肌で、まるで少年期のような独特の艶をのこしている。惟之にとって自身の肉体は嫌悪の対象でしかなく、この、およそ軍人らしからぬからだつきを人に見られるのは、耐え難い苦痛であった。

 その間は視線を合わせずにいたが、和胤は始終黙っていて、真面目な顔つきを崩さず、病身の惟之を労わりながら、抜かりなくひと通りの世話を済ます。

 さすがに着替えくらいは自身で、とおもい、替えの浴衣へ手を伸ばすが、和胤はそれをゆるさず、手早く着せてしまう。

 「寝台も綺麗にしますから、すぐに横になってください。いま昼食を貰ってきますけぇ」

 「うん」

 沸かし残した湯で白湯をいれ、それを飲んだとき、椅子のうえで漸くほっと息を吐く。浴衣を剥かれて素肌を晒すどころか、一々からだまで拭われても、嫌悪感は湧いて来なかった。それどころか何か温かな、穏やかな気持ちでいる自身に気づく。惟之は熱でぼんやりとしているあたまで、その気持ちの素は何なのだろうと考える。

 その間に和胤は、寝台の敷布から何から、取り払って全て取り替えてしまうと、それらの洗濯ものの山を抱えて出て行った。

 「せっかく着替えたちゅうに、まだそげなところで座っちょるんですか」

 どのくらい経ったか、不意にうしろから声がして、手のなかから湯呑みを取り上げられる。背凭れ越しに両脇のしたへ手を突っこまれ、椅子のうえから腰を浮かされかけ、そこで漸く反応する。惟之は慌てて身を捩ると、和胤を見上げて睨みつけ、頬を膨らませた。

 「そがい寝かしつけんでも、入るわい。おれを幾つかのこどもと間違っちょりゃせんか」

 「四十を過ぎても、こどもじみた悪戯をせるひとが、何を今更言うちょりますか。そげな膨れ面で睨みよっても、ちっとも恐くありませんがのう」

 呆れ返った表情と口調を隠さない和胤は、脇をしたから支えている掌を、くるりと返して脇腹に滑らせ、いきなりその辺りを指さきで擽り始める。

 「あ…っ、なんじゃ。こら、擽るのやめえ…っ」

 感覚が鋭敏な惟之に、これほど堪えるものはない。かれの弱みのひとつとして、そう恩田に耳打ちされたのを思い出し、返答次第では、ここでひとつこらしめるつもりでいる。

 「病がよくなるまで、言うことを聞いてくださらんのなら、やいとすえるしかないですのう。恩田大佐のように百叩きはできませんけぇ、こうします。たとえ“参った”とおしられても止めませんが?」

 うえから顔を覗きこまれ、最後通牒を突きつけられる。その証拠に、ゆるく擽る指さきのうごきは止まらない。
現時点で既に、惟之は擽ったさに耐えられず、からだを捻ったりして何とか和胤の手から逃れようと、もがいている。

 「うぅ…、いやじゃのう…。ちとはぶててみただけじゃちゅうのに、その仕打ちは…。はあ、じらくらんけぇ、擽るの…やめんかァ」

 眉を顰めて、かたく瞼を閉じたまま、惟之はしまいに殆ど悲鳴のような声をあげる。

 それと同時に擽る手が離れると、からだを庇うように身を縮めて自身の腕で抱えた。擽ったさの残滓を振り払うように身震いをして、恨めしげに和胤を見上げる。

 「約束ですよ、閣下。ご自分を労わってくださらなければ、からだはようなりません。そげなことばっかりしちょると…、仕舞いには副官の任からも降りさせていただきますけぇ。その積もりでおってください」

 真剣な、怖い目つきをして言う。惟之はその様子が只事ではないと感じ、しょんぼりとちいさくなって椅子から立つと、寝台へ入って半身を起こす。

 「なんじゃ、そない…怖い顔しおって。おぬしが居らんようになったら…。んにゃ、居ってくれんといやじゃ」

 駄々をこねるこどもと大して変わらぬことを、惟之は切実に困りきった表情で、臆面もなく言い放った。それには和胤を困らせてやろうなどという、悪戯っ気は全くない。これですこしは己が身を顧みてくれればいいと、和胤は内心でひっそりとため息を吐いた。
→【20話】 →目次へ戻る

web拍手 by FC2
スポンサーサイト

| 変わらぬ青空のしたで・31―40話 | 02:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

  変わらぬ青空のしたで・第参拾弐話

 先日のことが余程懲りたのか、軍医長の新垣や和胤の言いつけを守るようになって、惟之は療養につとめている。しかし、楽しみにしている宴会はお預けになったままだ。

 ふくらみつつあった桜の蕾は、変わりやすい春先の天の気まぐれに遭い、ぱったりと綻ぶのをやめてしまっている。それもその筈で、今日は朝から雪が降っている。締め切った部屋の中で暖炉と火鉢を熾し、惟之は暖炉の前に据えた長椅子に座った。あたまから毛布をかぶって、寒みィーっちゃ、を連発しつつ、小太郎を懐炉がわりに和服のなかに抱いている。

 「山口のやつ、早う帰って来んかのう…」

 和胤は第一局長の副官として、惟之が働けない分をできるだけ埋めてまわっているらしい。その働きぶりは空回りすることもなく、じつに良い評価がきこえてきている。

 まるでじぶんが褒められでもしているように、妙に得意な気分になるが、鼻高々なのは心中だけで、話をもってくる来客や主治医の新垣、殊に当人である和胤の前でそのような顔は一切しない。

 ―おれの副官なんじゃけぇ、当たり前じゃ。

 と、それが当然であると言わんばかりに、軽く受け流しつつ、しれっとした顔をして聞いている。

 杉邸にはだれも居ない。ぽつん、と独りきりで居残っていると、置き去りにされたようで堪らない。かわいい姪と甥は、学業の関係で今度は横浜の親類宅へゆくことになってしまい、つい一昨日に別れを惜しみつつ、送り出したばかりだ。そのことも相まって、寂しさはひとしおである。

 人好きであるのはその裏を返せば、寂しがり屋でもあるということだ。軍務に没頭していたころは、独りになるなどまずあり得なかった。この寂しさがやりきれないのを知っているだけに、いまの状況はかなり堪える。

 長椅子のうえで横になっていると、静まり返った部屋のなかは、降りしきる雪の音に包まれる。耳を擽るような、さらさらという音が心地よい。

 「あァ、いけん。こげなとこで寝よったら、また叱られるのう…」

 呟いて身を起こし、胡坐をかいて座り直す。

 懐からひょこっと小太郎が顔を出すが、多分にねむたそうで瞼が半ばしか開いていない。さては、懐であたたまってねむっていたかと、不憫におもいつつあやして寝かしつける。

 仔犬はすぐに夢のなかへ駆けてゆき、そのちいさな温もりを懐から離すと、輻射熱が程よく届いている場所を手で探る。からだから外した毛布でくるんで、一番あたたかな床のうえへ置いてやる。

 「おぬしはええのう、山口といっしょに居るんじゃけぇ。…この休暇が解かれたら…、おれァまた独りじゃ。こげな気持ちになるとは、思わんかったっちゃ」

 いつのまにか、惟之が和胤の傍で、その温もりに浸っている。居心地のよさに寄りかかりすぎて、そろそろ抜け出せなくなるところまで、来ている。じぶんの傍から、和胤が居なくなったらどうなるのだろう、ということをおもうと、想像以上の空虚な気持ちが惟之の心を占める。

 「馬鹿かァ…おれは…」

 切なく、ひとつ長いため息を吐いてから、自身に呆れながら呟いた。長椅子のうえでぼんやりしつつ、時おり薪の爆ぜる暖炉の火をながめてみても、和胤の顔が浮かんできて、あたまから離れない。それを追いやることに意識を使っていたから、窓のそとと階下とで扉の開く音や足音がしているのにも、全く気づかなかった。

 「閣下…?」

 「うわァ、なんじゃっ」

 だから、うしろからそっと肩を掴まれて飛び上がるほど驚いた。この家に黙って入って来られるのは、ひとりしかいない。かれに対する思いに沈んでいた名残を、いつもなら腹の奥に引っ込めて何食わぬ顔をするのに、今日は珍しく隠さないでいる。

 「おぬし、まだ勤務中じゃないんか。何ぞ忘れ物でもしよったんか?それともこの天気で、早く退けたんか」

 ほっとしたような顔で、和胤を仰ぎみた。両の肩に置かれた掌の重みまで、嬉しくすらある。

 「雪が積もったら、明日は本部で雪合戦ですけぇ。体力を温存しちょけちゅうことであります」

 惟之の表情が、どこか寂しげなのを見てとり、和胤はとっさに冗談を言って笑った。雪合戦とはあながち、あり得なくもないことだけに、惟之もくすっと笑いながら、まだうしろに立ったままでいる和胤を促すように、手を伸ばして軍服の袖をつまんで引っぱる。

 「そんなら、作戦を練らんとなあ。そのまえに、こっちィ来て座れ。…懐炉と毛布があの有様じゃけぇ、寒みィーっちゃ」

 床のうえで丸くなっている小太郎の寝顔を、和胤は頬を緩めて覗きこみつつ、長椅子を回りこんで惟之のとなりに腰を落ち着ける。すると惟之はまるで猫の仔のような身ごなしで、和胤のひざへあがって横向きにするりと座りこんでしまう。

 構わずにからだへ腕を回して抱きつく。胸に顔を埋めて、ほんの少しそこへ頬擦りすると、かすかに漂う白檀の香りに、ひっそりと安堵の息を吐く。

 「閣下は寒がりでありますのう」

 何も言わずに抱きついてきたのは、余程寒いせいなのか。たぶん懐炉代わりとおもってのことだろうと、和胤はこどもをあやすのと同じような気持ちで、惟之を抱きしめた。

 惟之のちいさなからだは、和胤の腕にすっぽりとおさまる。そこは温かく、安らかな場所として惟之のなかに居座ってしまっていることを、嫌でも認めざるを得ない。この場所は、和胤にしかつくれないものであった。

 「いままですっかりおぬしに甘えちょるけぇ、こうしておれなくなるちゅうのが、寂しゅうてのう…」

 惟之の療養が済めば、和胤がこの家に居る理由はなくなる。寂しいのは和胤とて同じだったが、ひと好きの上官が、こんな天気の日に独りで居た寂しさから、つい出たことばだろう。そうおもった。

 「何を言いよりますか。閣下にはおれなどより、くびを長くして訪ねて来るのを待ちようる女子衆が、それこそようけ居りましょうが。きっと皆、閣下のために膝を空けちょりますよ」

 そう、慰めることばを掛ける。惟之がひと月も花柳界へ顔をださないなど、今まであったためしがないから、女たちがそうして待っているだろうというのは、誇張でも何でもない。

 「馬鹿ァ、そりゃ違うわい」

 その慰めに、惟之は目を怒らせた。身じろいで顔をあげると、和胤の眼を射るように睨む。それだけでは足りず、どん、とかれの胸に頭突きまでする。

 「女たちは女たち、おぬしはおぬしじゃ。おれにとって、おぬしの代わりはだれも居らんちゃ」

 惟之は至って当然のように、大真面目な顔で言い切る。

 息が詰まったのは、頭突きをされたせいだけではない。これはかれ独特の、広い博愛精神からくる感覚で言っていることなのだと、あたまで理解していても、面と向かって言われるとたじろぐ。和胤は気持ちを言うのなら今だと、くもりのない惟之の目を見ながらおもった。

 「…正直に言えば、閣下が時々、上官じゃちゅうのを忘れそうになっちょる始末で。よもやまの話相手に始まって、果ては膝枕に至るまで…屈託なく甘えてくれよりますけぇ、離れるとなるとおれも寂しくあります」

 「なんじゃ、おぬしにしちゃ素直じゃないのう。それなら初めからそう言やァええじゃろ…」

 くちをとがらせて言う惟之がいじらしくて、すこしだけ強く抱きしめる。

 惟之に対して他意が微塵もないと言ったら嘘になるが、そうでなくても、こういった部分にどうしようもなく反応してしまう。じぶんの中にある庇護意識が擽られるせいなのだろうな、と疼く部分を納得させている。
→【21話】 →目次へ戻る

web拍手 by FC2

| 変わらぬ青空のしたで・31―40話 | 15:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

  変わらぬ青空のしたで・第参拾参話

 翌朝、まだ雪はやんでいない。雪の降る日は独特の静けさが漂う。そのなかへ起き出してきて、惟之は久しぶりに軍服に袖を通した。

 それよりすこし遅れて目を覚ました和胤は、珍しくきちんと軍帽をかぶり、軍刀を携えた威厳のあるかっこうをした惟之が居間で寛いでいる姿をみて、当然ながら目を剥いた。

 「まあ待て。正式に雪中演習ちゅう通達が昨夜届いたんじゃけぇ、今日くらいええじゃろ。こりゃ所謂、祭の日に法被を着る、ちゅうやつじゃ」

 などと、和胤の抗議を先んじて制し、口笛でも吹くような顔をして言う。しかしその手許には、こまかく書き綴った手帳が広げられていて、戦時のときの姿勢と大してかわりない。

 雪中演習は習志野原で行うことになっており、東京の第一師団・第一、第二連隊をほぼ総動員するかたちで、約六千人。結構な規模になる。何も、二個連隊で本当に雪合戦をするわけではなく、八分方は正式な演習だ。あとの二分が所謂あそびで、自由参加で雪合戦をするのである。

 この雪合戦のはなしは、参謀本部から出たものとみてまちがいない。昨晩惟之の家へ通達をもって、伝令使の少尉が訪れたときには、既に“二分”への参加がひきもきらないという話だった。こういうことへの情報の伝達も、光の如きはやさで伝わるからおもしろい。

 「それより、今日の演習じゃ。おれは督励にゆくだけで、じゃじゃはくらん。実質おぬしが参謀長なんじゃけぇ、負けたら承知せんぞ。雪合戦も、雪玉が銃弾か砲弾だとおもって、まじめにやれ」

 そう厳しいことを言いつつも、どこか悪戯っぽい笑みを浮かべている。また何か考えているのだろうかと、和胤は向かいの席に腰をおろしつつ、疑うように惟之を見つめる。

 「久しぶりだからと、あちこち動きまわったりせんでくださいよ」

 「なに、おぬしが作戦に専念できるよう、ずっと隣に居るわい。勝手にあちこち、うろつきゃァせん、安心せい」

 療養中の身で勝手なまねをしたら、以前とちがって惟之に対して遠慮がないぶん、和胤にきつく“やいとすえられ”るのは目にみえている。それだけはかなわんと言わんばかりの顔つきで、肩を竦めて和胤を上目にみた。まず惟之に二言はない。やるといったらやるし、やらぬといったらやらない。そういうところだけは、些細なことでも一本筋を徹している。そのことばをきいて、和胤は目許をやわらげた。

 「握りめしを食いたいのう」

 なかば惟之にせがまれて、台所へ立って釜で米を炊き、手際よく握りめしをこしらえる。出発するにも支度するものはさほどなく、惟之は将官になっても身の回りのことはじぶんで済ますため、副官はまったく面倒がない。

 市ヶ谷の自宅から新宿駅まであるいたが、一面を覆う雪の高さは七寸ほどもあった。長靴が埋まりそうなほどのなかを、すすんでゆく。駅頭でふたりは別れた。和胤は副官といえども階級は少佐であるため、少将である惟之と同席はできない。二等車両へ、同僚の佐官といっしょに乗り込む。

 帝都がこの様子で、習志野原はいかばかりかのう、と、車中のひととなった惟之は一等車両の席に座りつつ、車窓に顔をくっつけるようにして、表の銀世界を眺めたりしている。いまとなりには、川上が座っている。惟之が一等車へ入ってくるのを予め待っていたようで、朝の挨拶を交わしたあと、からだを気遣われる。こんな雪の日に演習に出てきたことを大いに心配され、惟之は磊落に笑い飛ばす。

 「なーに、今日の演習はあそびみとーなもので。見物しにゆくだけですけぇ、そのつもりで居ります」

 「おはんのことは、恩田サンと山口クン、そいから第一局のニセんしによっく頼まれとります。くれぐれも無理せんじおっくいやんせ」

 そんな会話のあと、ふたりのもとに騎兵将校が何人かやってきて、挨拶をした。

 以前、惟之が馬を拝借した貸し賃がわりに、辞表をとりあげて破ってしまった松沢もいた。今日の演習に作戦の伝令として一連隊が参加するという。作戦の伝令と聞き、今日は副官の腕が試される日だけあって、惟之はめずらしくかしこまってその旨を告げ、おれの副官をくれぐれも宜しくたのむ、とあたまをさげた。

 さきほど川上にはあんなことを言ったが、演習とはいえ胸中は複雑である。ここはひとつ、頼れる副官を立ててやりたい。だが惟之の性格からして戦況の如何によっては、代わって指揮権を執ってしまうかもしれない。

 「のう、川上さん。暫く軍務から離れよるところにこの演習ときて、おれァ堪りかねて、いつ山口から指揮権を取り上げるか知れん。すまんが、そげなことをせんように、止めてくれませんかのう」

 演習とは言ってみれば、“戦ごっこ”のようなもので、軍人である以上、これに対して心が奮い立たない者はいないだろう。惟之とて例外でない。しかも根っからの武人であるため、沸き立つ血を抑えきれる自信が甚だない。であるから、惟之は今のうちにと、少々情けない顔をしながら、川上に頼みこんだ。

 それで、好戦的なのかといえばそうではなく、戦争など無ければ無いに越したことはないと、惟之は常々おもっている。しかし、それと軍事力を常に研ぎ澄ませておくことは全く別物で、国を守るため、いざというときを常に見据えて生きてゆくのが、軍人の本分だと心得ている。

 腰に大小を差していた武士の時代はとうにおわったが、武士の精神と軍人の精神はそう違わないと感じている。大げさに言えば身に帯びるものが、軍服と飾緒に変わっただけで実際、惟之の生き様は十六歳で初陣に出て以来、大して変化していない。同じ年代かそれ以上の将官も、殆どそういった生き方をし、そうおもっているだろう。

 「おはんが山口クンを、ほんのこて信頼しておいやっなら、おいが止めることもねじゃっどが」

 と、川上は白髯の温顔を笑ませながら事もなげに言う。これには惟之も返答に詰まり、ますます情けない顔であたまを掻く。

 「うーむ…、川上さんには敵わんのう」

 すこし含羞んだ顔で言うと、惟之を取り巻く輪は、和やかな笑いに包まれる。そのまま、そのあたりの席で持ち寄った弁当をひろげて、軽く食事をとろうということになり、津田沼へ着くまで歓談もはずむ。まことにのどかな光景であった。

 一方、和胤は二等車両で何をしていたかといえば、第一局の面々と共に車両の一角を占領して、習志野原の地図を広げつつ、あたまをつき合わせて作戦を練っていた。

 片手に拵えてきたばかりの握りめしをもって頬張りながら、もう片手に握った鉛筆を走らせる手を止めないという、食事の行儀には厳しい惟之にみられたら、それこそ怒鳴りつけられかねないかっこうである。

 形振り構っていられない和胤のすがたに、一同も真剣に議論を交わしている。いつもなら、車中で冗談を言いあったりしているのだが、それどころではない。

 「これは負けられんなあ」

 恩田がおもわず呟いた。

 今日の演習は、惟之からすべて託されていると言ってもいい。作戦の天才がとなりに居て、しかも部下のすることにくちを挟まず黙っているというのは、部下にとっては想像以上の重圧感である。

 そのようにして和胤たちは過ごし、目的の津田沼へ着くまでの時間は、惟之とちがって飛ぶようなはやさで過ぎていった。

 津田沼に着くと、整然とした行軍で演習場までゆく。雪は静かに降り続けて、まだやむ気配がない。風はさほどなく、視界が吹いてくる雪で遮られる心配もなく、紫の房飾りがたなびく旭日の連隊旗が見えて、ほっとした者もすくなくなかった。

 しかしそれこそ、以前もちあがった満州の防備問題をおもえば、このような天候など満州では冬季になれば当たり前で、まだかわいいものである。

 雪中演習は誰がはじめに言い出したかわからないが、異例のはやさで通達がおりた。というのも、あの問題に怒り心頭であった陸軍大臣の尾木が、めずらしく軍人の本分を発揮させたからだ。今でこそ大きな問題にならずに済んだが、それに甘んじることのないよう、喝を入れる積もりなのだろう。

 その尾木が、今日の演習を督励しに来るという。しかも、あの問題が起こったときに決議を渋った議員連中のお偉方を、何人か招待しているらしい。それをきいた惟之は内心でにやりと笑い、習志野原に着くなり何食わぬ顔をして尾木の所へ行った。

 軍人としては、すっかり腑抜けきっているとおもわれている尾木だが、めずらしく往年の名将たる武人らしさを面にみせていた。惟之はその様子に感服し、いつもなら、“おい、尾木の爺さん”などと声をかけるのだが、自然と“尾木元帥”ということばが出た。
→【22話】 →目次へ戻る

web拍手 by FC2

| 変わらぬ青空のしたで・31―40話 | 22:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

  変わらぬ青空のしたで・第参拾肆話

 川上たちの待つ控え室へ戻ると、さっそくストーブの焚かれた暖かな場所へ座らされる。

 「今日の尾木さんは、まるで昔にもどったような顔をしようるぞ。あれァ、伊達に元帥大将じゃーないのう」

 陸軍大臣のもとへ次官が挨拶にゆくのは、ごく自然なことであるから、だれも惟之の行動を不審がることはない。だから、惟之がまた何か悪戯を仕掛けているなどと、勘繰る者もいなかった。

 脱いだ外套を無造作に脇へ放り、上機嫌で言う惟之の様子と、周囲の幕僚が和やかな様子でいるのと裏腹に、副官の和胤は些か落ち着かないようすでいる。歴戦の恩田は泰然としているが、さすがに若い和胤は、今回の参謀長はいきなり任されたも同然であるから、いくら演習とはいえど、緊張を隠せないでいる。

 その心情を察した惟之は、くちの端に笑みを溜めてかれを見つめた。いつもの軍務と同じじゃけぇ、安心せい、そういう思いをこめて、椅子に座ったまま副官を手招く。

 「そげな顔せんでええ、おれがずっと一緒に居るちゅうたじゃろ。おぬしの考えた通りにやってみい」

 呼ばれて目の前に立った和胤は、それでもまだ硬い表情が解れない。いつも自宅でしているように、惟之はつと手を伸ばして、和胤の軍服の袖を指さきでつまんで引く。

 「のう、あれほどおれを見てきたおぬしじゃ。ちゅーかい、しろしい女房になったちゅうのは、何とも複雑じゃが、おぬしの観察眼は並外れちょるけぇのう。こげなこたー、大した問題じゃーないちゃ」

 身を屈めた和胤の耳もとへ、冗談めかしたことを絡めつつ、励ますことばを囁いて、改めて顔を見合わせる。
見つめてくる惟之の眼はいつもと変わりなく、心配や焦りなどはひとつも浮かんでいない。

 心から信頼されているのだと、和胤は様々な想いがこみあげ、ほとんど胸に痛みをおぼえるほどであった。痛感という、文字通りのそれを感じて、目の前の惟之を抱きしめたいくらいであった。副官が安堵とも喜びともつかぬ、何とも言えぬものをその眼に滲ませ、漸く笑みをうかべるのを見て、惟之は首を右へ僅かにかたむけて、屈託のない笑顔を返す。

 「行って参ります」

 「うん、あとですぐにゆくけぇのう」

 それで充分だった。“勝て”だの“しっかりやれ”だのといった激励はもはや必要ない。

 ふたりの様子を察したらしく、いつの間にか第一局の面々は居なくなっている。一足さきに、前線本部へ向かったのだ。和胤は部屋を辞そうと振り返ってそれに気づき、一歩踏み出した足をとめる。躊躇ってから、惟之へ向きなおった。ちいさな背だが、そこには例えようもない頼もしさがある。

 「閣下」

 「なんじゃ」

 立ち上がったものの、もうすこし暖をとってからゆこうと、ストーブに手を翳しながら、惟之は背中で返事をする。和胤は上官の外套をそっと椅子から取り上げ、その肩に掛けようとして、一旦は手を引っ込めかける。あとで叱られてもいい、そうおもって腹をくくった。惟之のからだをうしろから、外套で包みこむように、ぎゅっと抱きしめ、素早く離れた。それはほんの僅かのことで、驚いて惟之が振り向いたときには、もう部屋には和胤のすがたはなかった。

 「…なんちゅうやつじゃ…」

 ひとり残された惟之は、眼をまるくして暫し立ち尽くした。軍務中じゃちゅうに、まったく怪しからん。などと、和胤の行為を、内心で叱咤したりもする。それでもなお残る温かなものを、無理にしまいこまずに懐へ抱いておく。まァ、今日はこれでええ。と、肩へ掛けられた外套に袖を通しながら、惟之はそっと呟いた。

 演習の内容は、第一連隊と第二連隊がそれぞれ守備と攻撃に分かれ、拠点を撃破または防衛というものである。これはだれがみても、満州の戦場を想定しての演習だとわかる。しかし、果たして列席している“ご来賓の方々”はそれに気づくかどうか。尾木はかれらを招いた立場もあり、解説を兼ねてなのだろう、他の将官とはすこし離れた場所で、議員らと臨席している。

 「皆、ええ面構えをしようるのう」

 本部に着くと、早速作戦の伝達が行われている。今回の演習は第二連隊と一緒になった。大隊長、中隊長、と続いてやってくる。めだたない所に立ってそのようすを眺めていたが、惟之が来ていることは周囲に知られている。それで集まった将校らは、ほぼ一斉にきょろきょろと探し始め、隠れる間もなく見つかってしまう。

 「おいおい。今日は軍務に就かんぞ、休養中じゃけぇの。演習の一切は山口に任せちょるんじゃ。真剣な遊びじゃと思うて、大いにやってこい」

 かれらの、何か期待を込めたようなまなざしを遮るように、惟之は顔の前で手を振りながら、苦笑いを浮かべて言った。

 視線の先には、各隊長に囲まれている和胤の姿をとらえている。その傍には恩田がいる。任せるとは言っても、やはりこの連隊を扱うのは、ひとりでは無理があることからだが、それでも恩田は殆ど口を挟まず、見守っているようすだ。副官の凛々しい横顔を、こうしてすこし離れたところから、いつまでも見ていたいとおもった。

 何気なしに、くるりとかれらに背を向けたとき、鼻先に漂う匂いにくびを傾げた。連隊に所属する炊事掛が、こぞって炊き出しにかかっているらしく、本部の裏手でやっているようだった。匂いにつられてそちらへ出てみる。

 「何ぞ、小豆でも炊きようるのかのう。汁粉もええのう、雪の日は」

 その辺りを通りがかりつつ、炊き出しに精を出す軍曹らへ、のんきに声をかける。かれらも実戦さながらの気合の入れようで、あちこちで声が飛び交っている。

 やがて喇叭の音が響き、開戦間近といった空気になってくるのを感じると、条件反射といっていい武者震いがおこる。ちいさく身がふるえ、それは脳天まで走り抜けた。ぴりぴりとからだの中に、稲妻が残るような感覚がぬけると、跳ねるような足取りで、本部の扉をくぐる。

 広げた地図を見ながら、相談し合っている部下たちを尻目に、ちょこんと席におさまった。

 くびから提げた双眼鏡で、ざっと戦場を眺め、それとなく配置や陣形をたしかめる。普段の演習のときも手帳にあれこれと書き込む癖があり、懐に手をやりかけ、思いなおしてやめた。いまは療養中の身で、眺めているだけでいいというのも、奇妙な感覚であるが、軍務を執らないということは、こういうことも含まれる。

 「人事を尽くしたら、あとは天命をまつだけじゃ」

 恩田と和胤、ふたつの靴音がすぐ傍でとまり、惟之は振り向きもせずにのんびりとした口調で言った。

 椅子のうえで泰然と構えた姿とあわせて、部下たちにはやはり、居るだけで頼もしい存在であると感じるらしい。すこし張りつめていた本部の空気が、それで緩やかなものになる。惟之は脚の間に軍刀を立てかけて、両手を柄頭に重ねて置いている。その手のうえにあごをのせて、小唄でも唸りそうな顔をしている。
→【23話】 →目次へ戻る

web拍手 by FC2

| 変わらぬ青空のしたで・31―40話 | 00:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

  変わらぬ青空のしたで・第参拾伍話


 演習が始まっても、惟之はひとことも作戦に口出しはしなかった。

 途中、騎兵将校の松沢が戦況を伝えに来たときに、五分五分の接戦であると報らされても、ほんの僅か眉をあげただけで黙っている。休養中の身であるから、軍務に携わらないというだけではない。その姿勢は部下たちへ信頼があってこそのもので、そんな上官の気持ちがひしひしと伝わってくる。

 惟之がこの場にいるというだけで、参謀たちは、すっかり気持ちの落ち着きを取り戻している。

 どんなに才能があっても、いざというときに取り乱しては、碌な成果はあがらない。もちろん、精神論に偏り過ぎて事態を推し進めるのは愚の骨頂だが、やはり精神的支柱というものは、軍隊には不可欠なのかもしれない。

 おかげで素早く采配をふるうことができて、攻撃側である第二連隊は徐々に有利になっていった。特に、今回参謀長を任された和胤にとって、惟之の存在は大きな拠所となった。およそ一少佐とはおもえぬ活躍ぶりで、もしこれが実戦であったならば、金鵄勲章に値するものではなかろうかというほどであった。

 「六分四分か、ようやった」

 攻撃側は演習時間いっぱいまで粘り、押しに押しまくった。審判の結果がでると、惟之はそれだけ言ってにこにこしている。

 第二連隊がその部隊ごとに分かれて、順次戻ってくる。雪まみれになったすがたで、各隊長たちが参謀たちの待つ本部へ報告しにやって来ると、惟之は出ていって迎え、ねぎらいのことばを掛ける。

 「まさに獅子奮迅じゃったのう」

 双眼鏡を覗いてときどき戦況を確かめていたから、各中・小隊の鮮やかな運動ぶりを称える気持ちをこめて、みじかく声をかけた。

 まだ雪はやんでいなかったが、雪見がてらにおおかたの部隊はそとに張った天幕のしたに引っ込んだ。炊事掛が腕によりをかけて拵えた昼食に、全員が舌鼓をうっていると、誰もいなくなった演習場に突如、どかぁーん、と轟音が鳴り響いた。広大な演習場の一角、本部からの距離で言えば一里程か。そのなだらかに隆起したところを覆う、真っ白な雪が根こそぎ吹き上げられ、そこでも、どぉーん、と腹に響くような音とともに白い柱が天へ伸びた。

 演習とはいえ戦いのあとだけに、将兵らは落ち着いた顔でそれを眺めながら食事をとっている。もしや、ありゃァ、旅順で撃ちまくった二十八糎砲じゃあるまいか。そんな言葉が交わされる間に、砲撃は三度続いて止んだ。

 「しかし、撃つにしても距離がずいぶんと近すぎやしませんか」

 本部の食堂で、将官らと同じ食卓についていた来賓の議員らは、当然ながら砲撃の音に耳慣れているはずもない。それこそ、初撃のときなど腰をぬかすほど驚いて、たじろぎつつ言ったことばがそれであった。

 「そうかのう。戦時じゃったら、そげなこたー言っちょられん。満州では休む間もなく、それこそ雨霰のように降ったものじゃ」

 惟之は涼しい顔でその苦情を受け流す。以前、議会で“あたまのうえで敵の砲弾が炸裂しないとわからんのか”と、惟之に叱咤されたことを思い出したらしく、かれらはそれで黙ってしまう。

 この場には、あの時の事情を知っている者ばかりだったから、満州ということばと相まって、いまの砲撃が悪戯好きな惟之の仕業だとすぐに気づいた。いつも悪戯に振り回されるばかりの面々も、これには内心で喝采をおくっていた。

 そのあとも、来賓に向かってひとつもにこりともせず、惟之は黙々と昼食を済ませ、さっさと席を立ってしまう。部屋を出て長い廊下を歩いていると、あとを追いかけてくる靴音がある。副官の和胤と恩田で、呼ばれるまでもなく立ち止まって振り向く。

 「少しは溜飲がさがったじゃろ」

 ふたりが目の前にやってくるなり、にやりとして言う。いつもの悪戯とは違うものであるし、惟之を咎める理由もない。

 「きっと後日、参謀本部へ怒鳴りこみに来ますよ、あのお偉方は…」

 そうなったら間違いなく、それを捌く役割になるであろう和胤が眉を顰めて、相手をするこちらの身にもなってください、とこっそり惟之に耳打ちしただけで話はおわる。

 「ところで閣下、午後の合戦には参加されるのでありますか」

 本題はこちらだというように、訊ねた和胤の横で、恩田がちいさな布袋を掲げて振ってみせる。組分けの籤といったところだろう。

 「聞くところによると、軍医長の新垣も来ようるそうじゃのう。療養の身で、雪まみれになっても差し支えないちゅうなら、出ようと思っちょるところだが」

 本部の建物の中には浴室もあるし、今日の天候に備えて風呂の湯はしっかり沸かしている。恩田も和胤も、戦いが済んだら、惟之を即刻湯につからせて温まらせる積もりでいることを伝えた。

 「まァ、念のために訊いてくる。先に組分けだけ引いて、もし許可が出なけりゃァ、おれを抜けばええじゃろ」

 言って、ひょいと袋に手を突っこんで取り出したのは、白い石であった。まだふたりとも、籤は引いていない。上官と同じ組になることを密かに祈りつつ、和胤はかれの外套の上腕部に白い腕章をつけ、軍帽を白い布で覆った。
→【24話】 →目次へ戻る

web拍手 by FC2

| 変わらぬ青空のしたで・31―40話 | 00:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。